10年以上一緒にいた幼馴染が突然死んだ。
その死が受け入れられず、ただ意味もなく毎日を浪費する日々。
ふと鏡を見ると、隈ができやつれた自分の姿が映った。
そんな自分に嘲笑するように、鏡に意味もなく問いかける。
「鏡よ鏡、この世で一番醜いのは誰――?」
すると、問いかけに応じるように鏡は光り、私を鏡の中へと誘った。
目を開けると、だだっ広い世界に一人の青年が佇んでいた。
その少年は、幼馴染に瓜二つの姿をしていた。
少年は私の姿を捉えると、かつて幼馴染が私に向けたのと同じ笑顔で囁いた。
「唯、僕を殺して」
ファンタジー
- #切ない
- #異世界
- #ドッペルゲンガー
- #鏡の向こう
- #ファンタジー