物語全体のあらすじ
時は現代。とてつもない美貌に恵まれた青年、山本時和は大学を自主退学した後、政界の人物を主にその美貌を活かし愛人業に勤しんでいた。
客の1人である矢吹を相手にした夜の事。ベッドの近くにある書斎には気になるルーズリーフが置かれていた。内容を見る限り帳簿の断片であったが、桁数の多い数字の羅列に相手方の名前が書かれていないため、いわゆる「裏帳簿」ではないかと推測し、いつか使えるかもしれないと写真をとる。
その次の日の事、市議会議員である三好勇気と待ち合わせをしていた。その後三好と会食をし、ホテルに入る直前に記者の保科綴に写真を取られる。不倫だと詰め寄られた際に、言い訳ができない状況に陥ったため、その情報と引き換えに裏帳簿の情報を引き渡すことでその場は事なきを得る。
だが後に、情報があまりにも不十分だと綴に指摘され自身の愛人業を活かし、さらなる情報を掴むために裏帳簿の持ち主である矢吹との接触を試みるも失敗。矢吹との接触は今後不可能となってしまい、帳簿の証拠を掴む直接的ルートが絶たれてしまう。
その後過去に矢吹と同僚で、時和の太客の1人である藤堂から証拠となるものを確保。綴が編集社に突きつけた事で一件落着と思われたが、証拠不十分として記事は棄却されてしまう。しかし、正義感の強い綴は折れずに追い続けることをきめる。時和は失敗した際に助けて貰った恩として協力し、そこに綴の弟であり時和の元同級生である保科宰も加わり、3人で裏帳簿について追うこととなる。
それを追う過程で綴と宰は、時和の過去に醜い大人達に性暴力を受けた事、そしてそれが大学の自主退学と現在の愛人業に関わりがある事を知ってしまう。時和はそれを知られることについて酷く恐れていたが、それを知った上でも優しく接してくれる保科兄弟に対し心を開いていく。人知れず衰弱していた精神も徐々に光の方へと歩むことになる。
こうして政界の闇を自身の美貌を活かし暴いていく時和と、それぞれの強みを活かし情報を得ていく保科兄弟は確固たる裏帳簿についての情報を掴むことができるのか?また、その後に迎える結末とは____。