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中山史花

ぶじですか きみもだれかの衛星でときどきいたずらに回ってる

コメントのお返事をブログにて◎

2024.5.21
KADOKAWAさまより『美しい夜』発売していただきました🌟

『グルファ』あとがきのようなもの(2021.6.4)


お目に留めてくださりありがとうございます。

ブログの内容はおおむねタイトルのとおりです。
『グルファ』本編は公開しはじめてからおよそ一年の連載だったのですが、書いているあいだにたくさんのかたに出会っていただけて、そのことがとてもうれしく、尊く思います。この小説を読んでくださったかたがこんなところまで見られるかはわかりませんが、こんな長いものにおつき合いくださって、本当にありがとうございます。

後日譚を四月下旬からひと月強ほどの期間、たまに休みつつだいたい毎日更新する目標でやっていましたが、本編は(途中から)週2回の更新だったので、毎日更新はめちゃくちゃに大変だということに(予想はしていましたが)気がつきました。毎日書いてらっしゃるかたは本当にすごい…勉強になりました…。


以下、少しずつ小説についての話も含みます。ばれて困るほどの中身はありませんが、本編及び後日譚の内容について触れているので、もし万一、これから読もうかなと思ってくださっているようなことがありましたら、このブログはあとから見ていただくほうがよいのかな、と思います。(そもそもこの文章がもう読む必要がないものですが)

この話を書きはじめた当初は、15万字ぐらいかかるかなあ、そんなに文字数書いたことないけど大丈夫かな?とぼんやり考えていましたが、いざ書いてみると、なかなかうまく進展していかなくて、結局本編を終わらせるのに30万字以上かかってしまいました。染利くんが私の想定以上に喋らない少年になってしまったので、スムーズに進展させるのが難しすぎてずっと難儀してしまっていたような気がします。後日譚もあわせると40万字?を超えてしまって、そんなに書くと思わなかったなとびっくりしています。もう書けない。


自分はわがままだし、好みに偏りがあるし、いろんなものを大切にすることが得意でないなと思います。好きな人の好きなものを好きになれなかったり、好きな人が自分の好きなものを好きにはならなかったりしたときに、もどかしくなったりかなしくなったりしてしまうような勝手さなのですが(嫌な人間だなと思ってしまう)、もし、たったひとりでも、ものすごく好みの一致するような人と出会えたら、という憧れのようなところから、この小説のことを考えはじめました。
自分と好みの合う人がいたら、それはとても嬉しくて、一緒にいて楽しくて仕方がないんじゃないかなあと思います。でも、それはすばらしいことだけど、好きな人の好きなものを好きになれなくてもいいし、好きな人が自分の好きなものを好きにならなくてもいいのだとも思っていて、そういうことも書けたらいいな、という気持ちもありながら、この小説を書いていました。たいしたテーマというものがない話なのですが、しいていえば、それはひとつのテーマだったのかなと、ぼんやり考えています(後日譚ではそんなことは無視して話を進めていましたが…)。

テーマ、という話の関連でもうひとつ挙げてみると、言葉にしなくてもわかることや感情があるんじゃないかということも考えてもいて、そうしたことが書けたらいいな、とも(少なくとも本編は)思って書いていました。染利くんのやさしさはそういうものであればいいなと思っています。後日譚は言葉にさせすぎてしまったかなと思ってはいるのですが。

来宮さんと染利くんは、両極端なような人たちでありつつ、私の好きだなあと思うような要素?をたくさん詰めてしまって、そんな人いるかよという感じになっていたら申し訳ないなというようなところです。大人なのに子供みたいな人、素敵だと思ってしまうし、大人みたいな年下の男の子はむちゃくちゃ恰好良いな…と気づいてしまって(?)情緒がせわしなかったです。私が素敵に書けているかどうかはまったく別問題なのですが…。
主要な三人がいて、見ようによっては三角関係に見えるのかな?と頭の隅で考えながら、私の中では染利くんとくっつく(身も蓋もない言い方)ことが決まっていたし、葉魚ちゃんと来宮さんのあいだにはたがいに恋愛感情でない感情があるので三角関係でもないしなあという感じで、この話はどういう話なんだろう?と結局最後までわからないまま、ジャンル分けしづらいものを書いていたなと思います。
染利くんは、葉魚ちゃんと来宮さんは自分のわからないところでわかりあっていると思っているし、葉魚ちゃんは葉魚ちゃんで、自分と来宮さんが似てると思いつつ、染利くんと来宮さんのふたりがわかりあっていてまぶしいような気持ちで見ているけど、はたからみると葉魚ちゃんと染利くんのほうがわりと似ているみたいなところがあります。染利くんは来宮さんがとても好きだし大事だから、来宮さんを大事にしない人とは合わないだろうなという感じで、でも来宮さんがライバル(違)みたいなものでもあって、嫉妬もするの、いそがしいかわいいな、たいへんだな、と(私が)思っています。

本編についてはもう記憶が遠いですね。
後日譚は、本編が完結したときはまったく書くつもりはありませんでした。自分は書きたいことは本編で書いてしまうだろうと思っていたし、葉魚ちゃんは大学を卒業したら染利くんの住んでいるあたりで就職して近くに住んで、それから数年後に結婚するのだろうなという未来は自分の中にありましたが、それについて詳細に書く予定はなかったです。ということで、番外編、のようなものは自分には書ける気がしなかったし、なにを書けばよいかもまったく思いつかなかったので漠然としたあわい憧れでそのまま終わると思っていました。でもなにげなく、憧れはあるけどなにを書けばいいかわからないな〜というようなことをTwitterで口にしたときに、読みたいと言ってもらったりして、需要!?が少しでもあるのならがんばって考えてみようかなと、がんばってはいませんがどんなことなら書けるかな、と考えてみて書いてみたような感じです。
後日譚は3万字ぐらいで終わるかな〜と考えていたのですが、93000字ほど書いてしまっていたようで、それはもうほとんど本編なのでは?と引いてしまっています。毎日息切れしながら更新していると、これは面白いのかな?大丈夫? という不安しかなくなっていくし語彙も消えていくしで書くのがしんどくもありましたが、読んでくださっているかたがいらっしゃることに励まされて、どうにか終われたかなあと思います。

私は小説を、自分が書くものに関して言えば、ひとりで書くものだと思っていたし、それはどれだけ読まれようと読まれなかろうと関係なくそうだと思っていましたが、この小説は間違いなく、ひとりでは書けませんでした。読んでくださっている?ということに、都度驚いて、とても助けられました。本当にありがとうございます。


後日譚について思うことはいくつかあるのですが、これはどういうことなのというのを説明し切らなかったところがあるのでぱっと思いつくかぎりで雑に補足?しておくと(小説内で書くべきだという気持ちもあるし、蛇足かなあという思いもしながら)(書いているあいだ、もういっそこれを解説したいなと思っていました)

・染利くんは、葉魚ちゃんが断れなくてバイト引き受けちゃうような、そういうお人好しなところも好きだから本当に気にしてないです(無理のない範囲で働いてるなら)
・クレーマーの人が出てくるあたり、染利くんも陰で見ていて、出て行こうかとしたけどその前に司さんがやってきて助けちゃったので、そのまま去ろうとしていた(ところを見つかった)というつもりで書いていました。葉魚ちゃんが自分の知らないところでも普段困っているのかもしれないと思いながら、助けられる近さにいないもどかしさ?など感じでいたりするのかなと思います
・ブックカバーをあげるくだり、渡そうと思って用意してたものの、ブックカバー、売ってるから買えるじゃんと思って別のにしようかと思って自分で使いはじめていた、という感じです

とりあえずそんなところでしょうか、まだ忘れていそうですが。
ハグするまで何日かかるんだ?(書くのに)と思いながら、恋愛超初心者のころを思いだしながら書いていたのもよい思い出なのかなと思います…いまも初心者みたいなものですが…。
後日譚、恋愛色がどうにもつよめで、自分は楽しんで書いてしまいつつ、ジャンルを文芸にしている小説としてはどうなのかなあという気持ちもあります。連日書いていて文章も粗かっただろうなという思いもあって、申し訳ないです。自分の書いたことを片端から忘れるので、矛盾しているところもあるかもしれません。自力では、いつか読み直して気がついたら直すかなあというような予定です…。ここはどういうことなのとか、これはどうなのかとか、もしもなにかご意見?があればお聞かせいただけたらうれしく思います。


最後に、Twitterではすごくうるさく書いてしまっていましたが、後日譚で書いた司さんのことを思いがけず大好きになってしまって、胸のくるしい日々を過ごしています。こんなに司さんのことを好きなのは本当に私だけだと思うんですが(自分で書いておいて恥ずかしいな)、彼の話を書くぞ、などと意気込んでいたので、以下にその話も少しだけ。(以下、他作のネタばれを少しだけ含みます)


『Violet Blue』なんですが、後日譚に出てくる司さんの話です(というつもりで書いていました)、多分? あまりこれまで書いたことのないタイプのお話で公開前からこれまでずっと緊張していますが、自分では好きなお話になりました。司さんの話だから好き、みたいなところが少なからずありますね…。
らんどさんのコンテスト?の開催されている期間だったので、なにか投稿できたらいいなと思っていて、部門をかなり迷って『5分後に甘くて苦いエンディング』にそっと入れたのですが、甘さ…?(完全に見失う)といった感じで、違う部門のほうが適切だったのかな、という気もしています。全然甘くない気がする。
作中では、司さんを(私が)どうして東という名前にしたのかみたいな話もしれっとできたのでよかったかなと思います。強引だったかもしれませんが…東ってとても良い意味があるなと彼の祖父が(私が)思ったというような感じです。
司さんのことが大好きだと言っているのに、どうして彼にこんな重いものを背負わせてしまったのかな…という気持ちはしています。


と、すっかり長くなってしまいました。ほかにもし書きたいことを思いだしたら追加するかもしれませんが、ひとまずこのあたりで。
こんなところまで見てくださったかたがいらっしゃると思われないのですが、もし見つめてくださっていたならば、本当にありがとうございます。

同じようなお話ばかり書いているかもしれませんが、もしよければ、またどこかでお会いすることができましたらうれしく思います。


2021.6.4



◎2021.6.6追記
考えていたことをふと思いだしたので少しだけ…!
後日譚、本編のラストに触れないのは不自然だろうかと思いつつ、想像にお任せみたいな感じで(?)必死に言及しないようにしていました。
もうひとつ、ネタばれでしかない想像というか妄想なのですが、司さんは灯がいなければ葉魚ちゃんを好きになっていたんではないかな、と少し思います。そういう世界線ももしかしたらあったかもしれないなと思う、それはそれでしんどいルートになってしまいますが。でも染利くんがいなければ、葉魚ちゃんももしかしたら司さんを好きに?なっていてもおかしくはなかったかもしれない。いやそれはどうかな。このふたりはふたりでわりと波長が合っているような気がしていて、恋愛でなくても仲良くやっていそうな(いてほしい)思いがあります。司さんが好きすぎるので、彼の話をまだ、いつかまた書きたいような気がしています。いまは気持ちだけ。

コメント

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  • 中山史花

    まめこさん
    こんな追記にまでコメントをありがとうございます…!電車に乗る寸前にコメントに気がついて、顔がゆるんだまま移動してしまいました。司さん、好きだとか言わないだろうから奪ったりしなさそうですね…ととても頷いています。好意に気づかれずに悶々とするのかなあと思います。

    もし司さんとだったら?という場合の解釈があまりにも一緒でどきどきしています…。葉魚ちゃんがなにか迷っていても司さんが引っぱっていってくれそうだし、組み合わせにつっこみつつ普通に美味いわと食べてくれるの、もう、それでしかないと思いました…!私の妄想からはじまり、素敵な想像をしていただいてすごくうれしいです。ありがとうございます…!

  • まめこ

    追記読ませていただきました!
    もし灯さんがいなくて司さんが葉魚ちゃんを好きになっていたら、しんどいけど無理に奪うことはなさそうだなと勝手に思いました✨寄り添う感じでそばにい続けるのかな…

    染利くんがいなかったとして司さんと葉魚ちゃんだった場合も、葉魚ちゃんはおどおどしていそうだけど司さんがどうってことないみたいな感じで包み込んでいそうだなと思いました☺️パンと味噌汁を出しても、組み合わせ間違ってんじゃんとツッコミながらも普通に美味いわ、とガツガツと完食してくれそうですね…🥰妄想してしまいました、失礼しました😂

  • 中山史花

    まめこさん
    こんな長いブログまで…!何文字になってもいいんですか…とおろおろしました、ありがとうございます、、!
    葉魚ちゃんのことを好いてくださって…!?うれしいです◎不意打ちでしたかね?意図していなくてお恥ずかしくありつつ、適当に読み飛ばしてくださっても大丈夫ですのに(?)丁寧に読んでくださっているのがもう、たいへんありがたいです。

    そして司さんに注目してもらえるの、とてもうれしいです…!私がうるさく言っているからかもしれませんが…笑 夜道送ってあげるの(でも絶対にそうとは言わない)、気づかれても気づかれなくてもいいような気持ちで書いていましたが、拾ってくださって…!不器用な王子様、称号が恰好よすぎてにこにこ(にやにや?)しちゃいました。口が悪いし容赦がないけど愛が深い人だと感じていて、そういうところが好きだなと思うのですが自分で書いた登場人物に対してひとりで盛り上がってしまい気持ちわるいのでは?ともかれこれ何十(何百?)回と思っています…しかしTwitterも楽しんで見てくださっている?なんて、本当に感謝です( ; ; )

    染利くんの中ではどういう理論で呼び捨てしてもよいことになっていたのかなと思っているんですが、私が呼び捨てさせたかったのでそうなりました。そこにときめきがあったならば良かったです…!かれは無口だけど照れ屋ではないので、必要があれば言うし好意を伝えることは(両想いでもあるので)ためらわないというようなつもりで書いていました。喋らせすぎたかなという気はやはりしていますが、あたたかく見守ってくださって救われました、、◎

    桃花〜もありがとうございます…!去年らんどさんの賞に投稿していたものなんですが、修正が甘くて直したく思いつつ、長い時間置き去りにしてしまっていました。小野くんの名前は適当なんですが、綺麗だと言ってくださりうれしいです…!はるさめは私もかわいくて気に入っています◎笑
    追いかけて?くださるなんて、おやさしさに震えています…。桃花は17万字ほどあるのでまたも長いお話になってしまいますが(そしてこれは面白いのかやっぱりわからないのですが)、暇だなあというときにおつき合いいただければさいわいです。私の調子?なども案じてくださって、もう本当にありがとうございます!
    ながながとごめんなさい…!

  • まめこ

    ブログありがとうございます🥰何文字になっても読みたい、むしろたくさん書いてくださいという気持ちでした✨!
    本当に葉魚ちゃんの性格が大好きです。普段おっとりしていて人の気持ちに敏感で、とても丁寧で、なのに「おのれ表情筋」とかクリスマスのガルテンを戦場と表すところとか不意打ちの面白さにやられました😂

    後日譚では司さん大活躍でしたね。クレーム処理や染利くんのためにバイトを帰らせてくれるところも、夜道に葉魚ちゃんを送ってあげたところも、不器用な王子様って感じでした!(ちょっと口調が投げやりなところが不器用っぽいと思いました)
    “Violet Blue”、もしこの先が続くとしたら苦しいけどたくさんの愛に溢れた世界になりそうだなと思いました🥲✨Twitterから中山さんの司さん愛がひしひしと伝わってきて、すごく楽しかったです🥰

    染利くんは、「葉魚」と呼ぶだけでもう胸が高鳴りました。葉魚さん、でもなく…!葉魚?!!呼び捨て…!!後日譚では積極的な染利くんが見られて、ひたすら尊かったです。お互いに対して気を遣いすぎていて、初々しくて可愛いですね。
    来宮さんにもだもだする染利くんも愛しいです。

    なんだかとっても熱く語ってしまいました(汗)
    そして桃花の雨、出てくる名前がとても素敵ですね✨之春、友雪など、季節感?があって綺麗だなと思いました。ペットの名前がはるさめなのもすごく好きです♡
    これからも追いかけさせていただきます。でも決してご無理なさらず、しんどいなと感じるときはお休みもとってくださいね!長々と、失礼しました🙇‍♀️