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井関和美

いせきかずみ

こんにちは、井関和美です。
売れない小説家もどきです。
魔法のiらんど様で無料web小説を連載したり(毎週日・月・木・金曜更新。変更や休載する場合もあり)、
(株)PASSWORDクリエイティブメディア出版から電子書籍を刊行するなどの
執筆活動をさせていただいております。

【代表作】
紙の書籍
『ボーダーライン』(新風舎・2004年)
『ケータイ・シンドローム』(新風舎・2005年)

電子書…

恋人の四十九日を迎えました。

こんにちは、井関和美です。

先日、こちらやXでもお伝え致しましたが、
4月1日に28年間を共に過ごした最愛の恋人を亡くしました。
そして本日5月19日、彼の四十九日忌を迎える事となりました。

人生で最も長く、苦痛に感じた49日間でした。
もしかしたら、彼と共に過ごした28年間よりもずっと長く感じていたかもしれません。
仕事以外で外出する事なく、ずっと家に閉じこもっていました。
彼のご家族のご心痛に比べれば霞のようなものかもしれませんが、
それでも何の前触れもなく突然愛する人を失った喪失感はとても大きいものでした。
私の安否をご心配下さった方もいたので、
Xでは生存確認という意味合いで度々つぶやいてはおりましたし、
似た境遇に置かれた方々との交流も始めておりましたが、
小説を書く気力をなくしてしまい、一文字も書けないまま、ずっと彼の事を想い、偲んでおりました。

しかし、こうして彼の四十九日を迎えるにあたって、一つの考えに至りました。
「いつまでも小説を書かずにいたら、彼からもらった『井関和美』も消えてなくなる。それは、彼を二度死なせてしまう事にも繋がる」と。

この49日間、本当に長く感じました。
そして、小説を書かない私はこんなにも空っぽな人間だったんだなと改めて思い知りました。

小説家デビューが決まり、彼から『井関和美』という名前をもらったあの日から彼が亡くなるまで、
下手くそなりに精進を続けてきました。
そしてまだまだ知名度は底辺ながら、『姉上、僕があなたの弟です!』シリーズという代表作を世に出し、
検索すればちょっとは引っかかる程度にはなりました。
私を拾って下さった出版者様や私の稚拙な作品を読んで下さっている読者の方々のおかげはもちろんの事ですが、
一番はやはりこんな私をどんな時でも支え、応援してくれた彼の存在です。
彼がいてくれたからこそ、あきらめる事なく小説を書き続ける事ができました。
陳腐な言い回しになりますが、今もなお『井関和美』の中に彼はいるのです。

彼を失った喪失感や絶望は到底、一生拭い去れるものではありませんし、完全に立ち直る事など不可能ですが、
『井関和美』の中に彼がいると分かった以上、
これから先も、私は彼と共に生きると決めました。

これから先、『井関和美』が書き起こすどの作品の中にも彼はいます。
これから『井関和美』が綴っていく一文字一文字が、彼がこの世に生きていたという証なのです。

ですが今現在、お身内の方々以外で彼の死を強く深く悲しむ事ができる人間は、残念ながら私一人だけです。
私も彼も友人が少なく、お互いが唯一でしたから。
その上、彼のいくつかある口癖の一つに「僕の事なんか誰も気にしないよ」というものがあります。自己肯定感が低いきらいがあったんです。
それなのに私を喜ばせ、励まし、嗜める事に関しては天才的と思えるほど長けていて、私を未熟なりとも物書きとして導いてくれました。そんな大恩ある彼を、私はたくさんの人に知ってもらいたいのです。

だから私は物書きらしく、彼との28年間を綴ったノンフィクション作品を世に出す事を決めました。
いつ完成するかは分かりませんが、必ず書き上げ、たくさんの方に読んでいただきたいと思っています。
その日が来たら、彼ともども、よろしくお願い致します。
長文、大変失礼致しました。

井関和美

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