続いて行く足跡
私は、日々の中でふと不安に駆られて振り返ることがある。
振り返った先になにかをきっと探しているのだろうと思う。
それはむかしの思い出だったり、懐かしい友達だったり、おいしかったお菓子だったり。
宝物のような記憶の中に自分の姿を見付けて、ああ、こんなこともあったなと思い返す。
連綿と続いて来ている自分というものを、ふと振り返る時、
どこかになにかを置いて来てしまったような感覚を覚えることがある。
それはむかしの思い出だったりするのかもしれない。
宝物のような記憶が少し足りない気がして、不安に駆られるのかもしれない。
ひとは前に進んで行く者かもしれないけれど。
ふとした瞬間に後ろを振り返った時、
自分の歩いて来た足跡が見えると良いなと思う。
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