葉月

その『闇』に映える君が愛おしかった。

悲しみをその小さな心に押し込めて、それを決して誰にも見せない…
私にも見せない強い君が好きだった。

…愛する者を亡くしたとき、
君の身体から抜け落ちた、バラのような色が
私を“殺させた”のは

私のはかない夢と、希望が壊れた所為だったのだろうか。
…今になっては君がひどく憎らしく思える。

いや、…。
本当に、殺気立つほど憎らしいのは
君を赤い花にした私…