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 夏のあいだ歌い暮らしたセミは、冬の北風が吹き出すと何の蓄えもなくなってしまった。
 そこで隣にすむアリに、飢え死にしそうだから食べ物を恵んで欲しいといった。
 しかしアリは貸すことの嫌いな虫だ。 アリが問う。
「暑い頃は何をしていたの?」
 セミは胸をはりこう言った。
「夜も昼も、みんなに歌をうたっていました」
―ラフォンテーヌの寓話―

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