沖田しのぎ

冷たい風が足下を吹き抜け、彼の髪をなびかせていく。

煙草の煙が、緩やかに弧を描いて暗い空へと昇っていく。

死んだら魂が昇っていくのだと。教えてくれたのは誰だったろう?

『魂は――』彼は目を細めて記憶の中の声を聴いた。『魂は、空に昇って』天国に行くんですよ。

笑みが浮かんだ。おんなじ事を云っていた奴を俺はもうひとり知っている。それは――

「ソル!また煙草吸ってましたね!」

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