コロナ

[五ツ星 ]     時は 平安の世、それ、が生まれた夜…ある屋敷の庭の桜が一斉に開いたという…。桜の下では真っ白な雪がふっくら弧を描く一月半ばの事であった。その日、生まれ落ちた五つの魂はきっかり五日後、順にこの世を去っていった。一年のちにその女は一人、子を成したと聞くが、誰もそれを見た者はいないという。 …