ホームレス画家

「人間が厄介なら、人生は面倒だ」といっても死ねないから、今日も臆面もなく馬鹿の一つ覚えのニガオエを描き散らすのだ。その上、酒か入れば舌まで回る。あげくの果てには目を回してひっくり返る。そこへ通りがかった母子連れに「正ちゃん、お勉強をしっかりしなければ、将来ああいう風になるのよ」と顰蹙買うことおびただしい。昔、唐人が「一日生きれば恥も増す」と言ったそうだが俺なんかは一刻一刻が恥の上塗りだ。