凛音


気がついた時わたしは
透けることのない闇のなかに独り横たわっていた

・・なにも、見えない
見開いているはずの瞳は光を捉えてはいなかった
鼓膜に届く音は自らの刻む鼓音のみ
ひどく静かな その空間

声を発しようにも声帯がうまく鳴ってくれない
泣き腫らした夜の翌朝のように
吐きそうな感じでひどく喉が引きつる

持ち上げようとした腕が重い
関節のきしむ音が皮膚で…