##A003##気がついた時には、もう、なにも覚えていなかった。頭の中から、なにもかも、消えさっていた。……真っ白だった。ひどく頭が痛んで…。そして。体中、傷だらけだった。傷口から流れる血が辺りを紅く染めていた。…そう。ただひとつ。僕がただひとつだけ、覚えていたのは…名前。自分の名前だけだった。……ランディ。ランディ・アル・エルディア。それが、僕の名前―――。 h…もっと見る