アキ



朧月夜と盲いた女
袖、翻す風の囁き

片羽の破れた蝶の香に
伸ばした指はなほ震え

哀しく流る清き川面に
女は独り口付ける

泣いてはならぬと血を流し
痛みはそっと押し殺し

女達は夢を見る
それが夢だと知りながら

そうしていつか
硝子のように
想いの破片は
砕け散り

其は麗しき花とならん

数多の心を閉じ込めて



花流るるは、…

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