御奈月

瑕(キズ)とは、その物が美しいからこそ生まれる。
美しさ故に、瑕は“痛み”を伴い、その存在を強く主張するのだ。

時に、瑕は禍々しい災厄の痕である。
時に、瑕は美しい生命の姿である。

誰もが何処かに持つその瑕を、
或いは再生の証明であるその瑕を、

禍々しいと見えるのか。
美しいと見えるのか。

その判断の所以は、全て、その瑕が持つ物語にあるのだろう。
この“痛み”は…