ユーリ

【リストカット】
その夏、


まとわりついてたゴミみたいな感情の渦の中に
いつしか私達は酷く犯され飲み込まれていた。


2006年、
21世紀のドラえもんのいるはずの東京は、
いまやひどい熱を帯び、火傷を覆ったアスファルトが人ごみに紛れて私達を苦しめていた。


私は息をして手首を切った。


それが高校最後の夏だった。


こんな世界でも、アナタは恋よ…