高校2年に上がる年、藤宮 希星は父親の転勤で隣町のかんなぎ町に引っ越してきた。

歓楽街もにぎわうそこは通称・ネロの巣窟と呼ばれており、“彼にだけは逆らってはいけない”という暗黙のルールが存在する。が、本能のままに孤高な彼に手を伸ばしてしまう。

そこから、彼と彼女の“奇妙な関係”が始まった。




ヒトは彼を美しい狂人だという



夜の街、笑いながら拳を振り、


その手を、その顔を紅く染める




彼に手を伸ばせば、待ちうけるのは漆黒の闇





「彼にだけは、逆らってはダメよ———」



それがこの街の絶対的な“ルール”



けれど私は自らソレを犯した



狂気に染まる彼に、手を伸ばしてしまった





「……なんでこんなことするのかって?

そんなの、聞いてどーするの?」




浮かべる笑顔の裏側はいつも泣いてる



いつも何かに怯えている




悲しいなら泣いたっていいよ



苦しいならいくらでも吐き出していいよ



嫌なことがあったら、全部私にぶつけてくれていいよ




夜、眠れないならそばにいる



貴方が呼んでくれたらいつだって駆けつけるよ





「………独りにしないで」




貴方が寂しくならないように。



貴方が心から笑えるように。




———“約束”された、その日が来るまで。





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