フラグ・クラッシャー 勝一《運命の覚醒編》

作者小坂広夢

この世には《フラグ》と呼ばれる物がある。映画や小説などで伏線と呼ばれる物だ。

例えば戦争モノの映画で、「俺、この戦争が終わったら、彼女と結婚するんだ」とか、「ここは任せて先に行け」と口にすると、その人物は大抵死ぬ。

これらはいわゆる《死亡フラグ》と呼ばれ、一般的にこのような状態は《フラグが立…

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この世には《フラグ》と呼ばれる物がある。映画や小説などで伏線と呼ばれる物だ。


例えば戦争モノの映画で、「俺、この戦争が終わったら、彼女と結婚するんだ」とか、「ここは任せて先に行け」などと口にしようものなら、その人物は大抵死ぬ。更には、ペンダントに入っている恋人の写真を眺めたり、「これが最後の一本だぜ」などと言ってタバコを口に咥えようものなら、これはもう致死率100%のフラグである。


これらはいわゆる《死亡フラグ》と呼ばれ、一般的にこのような状態は《フラグが立った》と表現される。


一度フラグが立ってしまえば、それを避ける事は不可能に近い。それは単なる物語上の創作ではなく、現実の世界にも当てはまる事である。


そのため人々はフラグを、神から与えられた《運命》と呼んだ。




…だが、その《運命》をへし折り、人々に幸福をもたらす事を使命とする者達がいた−