タカナシランドは優しくて、儚くて、痛かった。その夢から覚めたとしても、きっとまた別の痛みが生じる。それでも、そこに強い気持ちがある限り、大丈夫なのだと、信じたくなりました。決して綺麗ごとでは片づけない、物語の現実的な部分も大好きでした。美文に魅せられ、一つ一つの綺麗な言葉たちを掬い上げるのに必死でした。それぞれの生き方、葛藤、憧れ。複雑性を帯びた心情。その中にある真の愛とは何なのか。どうすべきなのか。彼らの想いの交錯は切なくて、狂おしいほど愛おしかった。同じオトの名前を持った彼らは、互いに弱くて、強かった。理想の詰まったヒーローヒロインには遠く及ばない私たちと似ていて、でも真っすぐで。歪な形のピースが、はまった瞬間を見届けた気がしています。上手く言い表せないカタルシスがここにはある。ノスタルジックな気分に浸っています。これからも、タカナシが手を握り合っていますように。素敵な作品をありがとうございました