親の名声や醜聞であふれた日本を捨て、ピアニストになるためにウィーンに渡った雅人は、荒んだ生活の中、美咲への想いを胸に秘め、ピアノショパンコンクールに向けレッスンとバイトに明け暮れていた。
一方の美咲は、さよならを告げられても忘れることのできない雅人への思いを胸にさくら公園へ通っていた。
「桜が満開になったら
私とここでデートしてください」
あの日、桜の木の下でかわされた約束。
その証である桜葉の栞。
5か月後に偶然出会ったふたり。
ピアノで奏でられたフォルトゥナ(運命の女神)は、あの日の約束をあざ笑うかのようにふたりをすれ違わせる。
Dolce ~私だけ愛して~の
続編です。単体でも読めます。