人助けのマッチングアプリであるヘルプコール。
助けを求める者と、手を差し伸べる者との架け橋として利用されている。
どのような依頼内容であれ、協力者が現れさえすればマッチングは完了する。
利用者の増加は、親切の輪を広げる一方で深刻なトラブルを生む。
人の心のすれ違いが引き起こす復讐劇、Payback。

ヘルプコールは人助けのマッチングアプリだ。

助けを必要とする者が挙げた依頼は、手を差し伸べた協力者によって解決されていく。

親切の輪は、徐々に広がりを見せていた。


ヘルプコール利用者の一人である雪夜ゆきよは、助けを求める人を手助けすることに喜びを感じていた。

職場では、開発部の事務を担当しており、疲弊している開発部を献身的に支えていた。

ある日、営業部の高木から提案活動も兼務しろと命じられる。

渋々兼務を始める雪夜だったが、激務と高木の横暴さに耐え切れなくなる。

ヘルプコールに「職場のトラブル」という依頼を挙げ、助けを求めた。

協力者は現れたが、相談前に連絡が取れなくなる。


居酒屋で働く結城ゆうきは、ホール係のカナが客である高木とのトラブルを目撃する。

様子が怪しいと考えた結城は、困ったことがあれば相談しろとカナに声を掛ける。

翌朝、駅のホームで不審な動きをする高木を目にした結城は監視を始める。

結城の睨んだ通り、痴漢行為を働いていることをヘルプコールを介して知り、高木を取り押さえる。

逃走した高木を追って勤務先を特定する。


勤務先に掛かってきた電話の相手は、痴漢犯行の証拠を持っていると高木を脅す。

要求は直接伝えるという相手との待ち合わせ場所に、人を集めて待ち構える高木。

だが、その場には誰も現れなかった。

その帰り道、高木は怪しい連中に囲まれ暴行を受ける。

数日後、部下からの連絡を受けた高木は、高木の件で社内が騒ぎになっていることを知る。


貴子は、痴漢被害から救ってくれた若者に、直接礼を伝えられればと、駅のホームでその姿を探していた。

だが、貴子の目に飛び込んできたのは、怪我を負った痴漢犯の姿だった。

痴漢犯は貴子に気付かず通り過ぎていく。

通学経路を変えた貴子は、駐輪場で先日の若者と再会する。

礼は伝えたが、若者の行き過ぎた行為を責める貴子。

だが、結城と名乗る若者は、痴漢犯の怪我について知らないようだった。

結城に教えられ、匿名掲示板の存在を知る貴子。


カナには高木に借金があった。

父に渡す金を高金利で借りており、追加で借金を頼むと引き換えに身体を求められた。

高木は執拗に迫り、カナを追い詰めていく。


自分の依頼が招いた結果に悩まされる雪夜。

自分の依頼が原因でないと確信したい結城。

自分を陥れた相手に激しい怒りを燃やす高木。

自分を救った男性の力になりたい貴子。

自分を脅迫する男の指示に従ってしまうカナ。


それぞれの思いが交差する。