貧しい暮らしを続けている少年、タム。
タムには病弱の母がいた。
遠征から戻らない父を頼ることの出来ないタム達は、食うにも困るような生活を続けている。
ある日、タムの元に現れたバンディーニという男が、兵士の訓練校への入校を勧める。
幼すぎると母は反対するが、母親を助けたい一心でタムは入校を決める。
訓練校での生活が始まり、年嵩の訓練兵に混じって、射撃に必要な訓練を受ける毎日。
幼いタムに訓練兵は優しく、特にライリーという訓練兵からは、弟のように可愛がられた。
狙撃手に選ばれれば、母に十分な食料と金が与えられると聞かされ、訓練に精を出すタム。
座学や訓練の成果が出てくるに連れ、やがて射撃の技術でタムの右に出る者はいなくなる。
バンディーニから、狙撃手の選抜試験に選ばれたことを知らされるタム。
選抜試験の参加者には、以下の規則に従うことが求められた。
- 射撃活動は日中のみ。夜間は禁止とする。
- 夜間は、割り当てられた塔から離れないこと。
- 日中に草原に現れた鳥獣(敵兵も含む)は、狙撃すること。
- 獲物を仕留める為に使用可能な弾薬は、1日最大10発とする。ただし、敵兵については、この限りではない。
選抜は、仕留めた獲物の種類と得られた毛皮や羽毛の量で判定される。
補給班のゾーイに連れられ辿り着いたのは、8番という番号の振られた、街を囲むように建てられた砲撃塔のひとつだった。
塔の住人はタムただ一人。
ゾーイは2週に1度、水、食料、弾薬を持って塔を訪れると知らされる。
狙撃手に選ばれるための生活が始まる。
ゾーイから仕留めた獲物の加工方法を学ぶが、実際の狩猟は思うようにいかない。
訓練校で学んだことを思い出し、射撃の調整を徐々に進めていくが、獲物を仕留めるまでには至らない。
成果の上がらないタムに、体格と年齢を満たしていないタムが狙撃手に選ばれなかった場合、除隊となり、数年後に再入隊する必要があることをゾーイは伝える。
母の為にも、元の貧しい生活に戻るわけにはいかないと考えるタムは、今の状況に気落ちする。
ある日、タムが狙っていた獲物が目の前で誰かの手によって撃たれる。
近距離まで近づいて獲物を仕留めたのは、ユアンという訓練兵であった。
ユアンは9番の塔で、タムと同様に狙撃手の選抜試験を受けていた。
狙撃兵に必要となる技術をユアンから学ぶタム。