物語全体のあらすじ
情報屋の
土砂降りの中、二人はパリに降り立った。
モンマルトルにきっと
AyaはKouと瀟洒なお屋敷で一緒に暮らす夢が叶ったと喜々とする。
ターキーなどでお祝いをした。
それに葉書で誘ってくれた神友の
楽しくて眠れないAyaは初めて隣のベッドで眠るKouに頭を撫でて貰った。
しかし幸せは一晩で崩れ、衝撃は稲妻の如く走った。
翌朝、彼が居なかった。
Ayaは必死で家を庭をモンマルトルを捜しても見つからないので、むくの家を訪ねる。
Kouの不在を確かめると去って行った。
しかし、むくが『眠りの乙女』をイーゼルに置くとKouが現れた。
驚くことに初めてのキスを捧げることとなる。
これを切っ掛けにむくはKouへの恋情を募らせて行く。
キスの味ではなく、選ばれた気持ちが嬉しかったのか。
自宅にむくの毛髪を確認したAyaは複雑な心境になった。
憎む気持ちにはなれないけれども、距離を置きたくなる。
孤独だったAyaにはむくの存在が重かった。
所が、Kouは雨の日にも会えなくなった。
モンマルトルが濡れる夜にむくはKouの本当の気持ちを探している。
Ayaはむくを恨まないけれども羨ましいとその日は帰宅して行った。
いつかはこの家に帰って来ると。
むくは
晴れた日、十六歳になるとむくはKouと結婚する。
写真館でウエディングドレス姿になった。
撮影を両親が見守る。
むくはAyaを呼べる筈がない。
けれども見守ってくれた。
彼女が泣いていたのを垣間見る。
Ayaにはむくの存在が重いが、神友を憎む気持ちはない。
だが距離を置かざるを得ない。
KouとAyaは兄妹だから何時まで経っても平行線だ。
Kouを介さずAyaに依頼が舞い込む。
ドクター土方の娘の絵『眠りの乙女』を盗むようにと。
Ayaとむくが草原に休んでいる想い出の絵で煩悶する。
しかし、遂行するとKouが帰って来るとの第六感があった。
むくの枕元にある絵の前でたじろぐ。
起き上がったむくは遊びに来たAyaにお味噌汁を出す。
二人で愛したKouについて語り明かす。
やはり神友だと心から思う。
雷雨に驚き窓を閉めようとしたとき、濡れ鼠となったKouが現れた。
和やかに朝の食卓を囲むが彼だけ食べずに微笑む。
『眠りの乙女』の依頼人は今は亡きKouだ。
この作品は「Ayaに吹く影法師」をシナリオ化したものです。