物語全体のあらすじ
中学二年の
精霊エスリープが現れて、眠った悠へ「赤ずきんと弟」の続きを語り出した。悠の夢に物語が流れる。
百年前、図書館で「赤ずきん」の絵本にダークという男が侵入した。絵本では、登場しない町や人物が誕生し、物語に不具合が起きていた。赤ずきんレネーの魂を狙うダークは、研究者ワイズにレネーを誘拐させた。ダークは、レネーから魂を取り出したが、盗賊ゾクーシャに盗まれてしまう。その後、レネーの魂は、商人ショージの店で斧に宿った。
その頃、レネーの母親は、再婚し息子のユーゴが生まれた。十二歳となったユーゴは、失踪した姉レネーの存在を知り、旅へ出る。
ユーゴは、ショージと出会い、レネーの魂が宿った喋る斧を手に入れた。ユーゴもレネーも、自分たちが姉と弟だとは気づかない。ユーゴは、姉を探すことと、斧に宿ったレネーを人間に戻すことを別々に捉えて旅を続けた。
旅先で出会ったワイズは、レネーを誘拐した事を後悔していた。ワイズからタイムマシンを受け取り、ユーゴは過去に飛び、レネーの誘拐を阻止した。斧に宿った魂がレネーの体に戻る。ユーゴは、レネーを自宅まで追うと、母親を見かけレネーが自分の姉だと気付いた。
レネーの未来を守るため、ユーゴは、さらに過去へ飛んだ。ゾクーシャの協力で、ダークを追い詰める。そこで、精霊エスリープが、ダークを本から排除した。未来が変わり、ユーゴの存在が消えていく。
消えかけるユーゴを、エスリープが本の外へ保護した。エスリープが管理する図書館に辿り着く。ユーゴは、レネーも本から保護され、転生のため先立ったことを知る。ユーゴも転生を選んだ。エスリープとの別れ際に、ユーゴは、この旅を転生した自分に聞かせてほしいと頼んだ。
百年後の赤池家。エスリープは、悠と姉の礼子へ、「赤ずきん」から転生したユーゴとレネーだと伝えた。ダークの事件には、黒幕シャドーがいたことも。
悠は、不登校生活を送っていた。礼子の勧めで、女装をして動画投稿をしている。礼子は、勧誘詐欺に逢い、モデルの夢を諦めようとしている。そんな赤池家へ、シャドーがやってくる。礼子と悠とエスリープは、協力してシャドーを倒した。悠と礼子にも、春が訪れる。
この作品は「赤ずきんの現世」をシナリオ化したものです。