ななせと北都が同棲を始めて一週間。自分の肌がコンプレックスのななせだが、流されるように初めて身体を交わしてしまい、北都に幻滅されたと思い込む。
一方の北都も、落ち込むななせの様子を見て、昨晩の行為が嫌だったのではないかと心配に。
お互いに心のうちを明かせないまま、ななせはどこかへ出かけてしまう。
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物語全体のあらすじ
だが、夕食後に北都がスキンシップを求めると、ななせはそれを察してかそそくさとお風呂に逃げてしまう。
学生時代から2年以上付き合っているふたり。しかし、実はまだキス以上の行為をしたことがないプラトニックな関係だ。
過去に「心の準備ができていない」とセックスを拒んだななせだが、隠している本当の理由がある。ほくろの多い自分の顔や身体がコンプレックスで、肌を見られ幻滅されるのが怖いのだ。
ふたり暮らしの中でも
飲み会帰りで珍しく少し酔っていた北都は、「もう我慢できない」と言ってななせを求める。これまで見たことのない北都の様子に
翌日、ななせは目が覚めていくほどに昨夜のことを思い出し、今更ながら身体を見られてしまったことを自覚する。
まだ同棲を始めたばかりなのに北都にがっかりされたなんて耐えられない、と思い込んでいくななせ。一方北都も、終始無言で落ち込んだ様子のななせを見て、昨晩の自分の行動が嫌だったのではないかと心配になる。
結局お互いに心のうちを明かせないまま、昼になるとななせはどこかへ出かけてしまう。
行き場所を決めていなかったななせが辿り着いたのは、ふたりのお気に入りの店、喫茶『おとめ
店内にいくつもある水槽のうち、『ピンポンパール』という名の金魚が泳ぐお決まりの席を選びひとりで座る。
色も模様もさまざまな金魚たちを眺めていると、ふと彼らのエラに白い点々があるのに気づいた。それは「
恋のしるしとなる、星の模様。そのロマンチックさにふけっていると、ななせを探していた北都が店を訪れる。そして、ふたりにとって特別な意味を持つこの場所で、ななせは北都の知らなかった想いを聞かされることになる。
北都のまっすぐな愛情を受け、思いがけずななせは自身のコンプレックスを許すことができそうな兆しを感じるのだった。