主人公の咲良ナツはわけあって周りから「かわいそうな子」と呼ばれながら、高校に通っていた。

ナツはある日、放課後高校の音楽準備室からピアノの音色を聴く。その音色は自由で奔放。ナツの重く固い心の中はほぐれていく。


私を「かわいそう」だと思っていない相手。


そいつは言った。




「かわいそうなわけないだろ」




私はいつも周りが気になっていた。



周りや世間からの視線、噂、喋り声。



自分が見られているんじゃないかという恐怖。


いつもちゃんとしてなきゃという変な使命感。


普通の女子高生でありたいという叶わない願望。



あいつが私に投げかける言葉と、音楽準備室から流れる自由なピアノの音で私は少しずつ変わっていく。