温かくて柔らかくて優しい。そんな言葉たちで溢れている本作品。短い文の中に敷き詰められた示唆に富む考え。それらに私まで感化されて、明日、夜明けを迎えたら、手を思う存分に広げて、朝日を浴びようと心に決めました。
 「ないの、生きている理由が」
その深淵から繋がる光は儚くも美しいものでした。自然と吐き出された台詞と傷だらけの背景に自分の心が締め付けられるように痛くなって。けれど、明日香と奏斗さんのコミカルな会話のキャッチボールとアップテンポな展開にどこか励まされた気さえしています。そんな二人が駆け抜ける明日が輝きで満ち溢れていることを祈っています。
 トレモロの言葉の意味を調べた時「そっか」と腑に落ちる愛おしさがあって。忙しく反復する惨い世の中で明日に鼓動を響かせるために、沢山のメロディーを奏でてみたい。そんな希望が胸いっぱいに広がっています。
 素敵な作品をありがとうございました