およそ人口の半分が能力を持って産まれてくる時代。能力の有無で差別、いじめ、虐待が陰湿に行われる様になった。能力を悪用した事件は増加の一途を辿っていた。 須車 真永(すぐるま まなか)もその1人。父親からの暴力に耐えていた。そんなある日、目の前で両親が死んだ……。
能力の有無が差別、虐めの対象となった時代。
血を見るのは日常的、涙はとっくに見飽きた。
平凡な、優しい世界は唐突に、前触れなんか一切見せずに、僕の目の前で崩落した。
狂おしい、喉から腕を吐き出すみたいに、死ねたら良いのに……。