早川緑子は朝、仕事場につくなり友人の桑田由美理に昨夜あった出来事を話した。それは少し奇妙な話だった。マンションの隣の部屋の前で、うずくまっていた女の話。
「ちょっと聞いてよ。昨夜すごく怖いことがあったのよ」
はじまりは、そんなささいな怪談話からだった。