私、気がついたら子どもでした。気がついたら知らぬ両親がいました。新しい家族がいきなりできた?いえいえ、もっと言いますと、気がついたら異世界でした。
“こちら”はどうやら、江戸時代の日本によく似ているみたいです。
ただ、それも似ているだけ、という話なのですが。「邪魔するぜ」来た。江戸時代観をぶっ壊し…

一の糸、二の糸、三の糸

指が走る、小ぶりの撥が弾く。


膝に抱えているのは糸が太く、少し大ぶり。猫の皮を張った代物。私のわがままで北から取り寄せてもらった、三味線。

まだ津軽三味線とは名付けられていない、太棹。


こんにちは


今日は少しだけ、私のお話をしたいと思います。

てぃん、と啼いた。

てぃん、てぃん、と慣らせまして。


「始めさせて頂きます」


べべべん、とね。