10歳の少年が5歳の少女に恋をして誘拐してふたりきりで生きた先にあるものは…

おれは今日のために生きてきた。

妹の晴れ姿を見るために、生きてきたんだ。

ウェディングドレスに身を包み、しあわせに輝く君の姿を目に焼きつけて、おれはここから身を投げる。


もう思い残すことはない。

もう悔いはない。

おれは高層ビルの屋上の柵に足をかけた。