『じゃあ、4月1日だね!』
『うん!4月1日のこの場所で!
きっと、お花もたくさん咲いているよ!』
『楽しみだね!』
『うん!楽しみ!』
『それじゃあ七年後に、また会おう!』
『約束だよ!』
________七年後。
その日を境に記憶を無くしていた。
七年もの間、大切な人のことを忘れていた。
全てが手遅れになってしまっていた。
「君はよく頑張ったよ。ありがとう。」
優しい口調で語りかける言葉は
全く耳に入らなかった。
「…先生、お願いがあります。」
「何かね?」
「もう一度、タイムリープマシンを
使わせてください。今度は七年前に。」
男は黙って考えていた。
「お願いします。」
「…分かった。気をつけてね。」
男はマシンの準備をし始めた。
機械の不協和音で緊張しながら
もう一度、覚悟を決めた。
「必ず、約束を守る。」
ビリビリ。ジリジリ。
タイムリープマシンが起動した。