下民の少女「月英」には秘密があった。秘密がバレたら粛正されてしまう。
だから彼女はひっそりと邑の片隅で、生きるために男装をして姿を偽り、目立たぬように暮らしていた。
しかし、彼女の持つ「特別な術」に興味を持った皇太子に、無理矢理宮廷医官に任じられてしまう!

自分以外全て男の中で、月英は姿も秘密も…

 万の花の香りを乗せた風は、どこまで行くのだろうか。

 大陸東の雄――絶対的一国主義の『萬華国』。

 独自の文化や経済圏、技術や学問を開き栄え続けた自負が、他国からの一切の流入、そして他国への一切の流出を拒んでいた。

 そうして萬華国はその名の如く、万の華が咲き誇るがように栄華を極めていた。


 しかし、この国はどこか息苦しい。