【魔法のiらんど大賞2021 小説大賞受賞作品】
下民の少女「月英」には秘密があった。秘密がバレたら粛正されてしまう。
だから彼女はひっそりと邑の片隅で、生きるために男装をして姿を偽り、目立たぬように暮らしていた。
しかし、彼女の持つ「特別な術」に興味を持った皇太子に、無理矢理宮廷医官に任じられ…
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万の花の香りを乗せた風は、どこまで行くのだろうか。
大陸東の雄――絶対的一国主義の『萬華国』。
独自の文化や経済圏、技術や学問を開き栄え続けた自負が、他国からの一切の流入、そして他国への一切の流出を拒んでいた。
そうして萬華国はその名の如く、万の華が咲き誇るがように栄華を極めていた。
しかし、この国はどこか息苦しい。