■ストーリー概要および物語の設定


時は女学生文化が花開き、恋愛もまた多様化の兆候を見せ始めた、昭和初期。

稀代の少女小説作家である汐屋信成(しおやのぶなり)は、ある日、画家としての成功を夢見て上京してきた上原始(うえはらはじめ)を拾う。

汐屋は上原の描く少女の美しさに惚れ、一緒に少女小説のトップになろうと約束する。

その頃の少女小説といえば、少女画報、少女倶楽部などの小説雑誌に連載し、そこで知名度を上げるのが一般的。

だが、汐屋は新しい少女小説だけの雑誌を立ち上げようとしていた。

しかし、それは前途多難。しかも上原はヤミ金に金を借りていた。そのため、とんでもない金を要求される。汐屋はそれを肩代わりし、全額返済し、上原を買うことになった。

そして始まる、二人の夢。

その夢が、少女小説の世界に新風を巻き起ころうとしていた――


これは昭和初期という混乱期に必死に生きる人々と、その時代に『少女小説』という舞台でもがいた二人の男の夢と友情の物語。