ユーレイ寺の嫁 ~このお坊さん、成仏させないんですけどっ~

作者菱沼あゆ

 ユーレイ寺と呼ばれる寺にひとり住む環の許に、ほとりという美女が現れた。


「こんにちは。貴方の嫁です」

「……一人が暮らすのがやっとなのに、嫁をもらった覚えはないが」


「私は、貴方に助けてもらった狐です」

「狐も助けた覚えはない」


 なんだかんだで一緒に暮らすようになった二人だが。

 環の寺の蔵には、供養されることない、いわくつきの品々が眠っていて――。