俺を産んでくれてありがとう

作者たかたん

ごく普通の家庭で育った
お坊ちゃん育ちの俺が、
元暴走族の総長に半生を育てられ、
世間知らずの弱虫が、
大切な事に気付いてく話し。

ごく普通の家庭で暮らす、

何不自由もなく、

苦労する事も知らなかった少年が、

死別、裏切り、人間不信を経て、

自らもドス黒く染まり、

他人を傷つける度に、自分も傷ついた。


悲しむ感情が麻痺した時から、

ずっと探し求めてた。


「俺に足りないモノって何?」


愛なのか?友情なのか?


人としての感情が欠落してても完璧を求めた。


「ちゃんとしないと捨てられるから。」


いいんだよ。

孤独なのは慣れてるから。


口ではそう言っても、

慣れた事なんて一度もなかった。


「人の痛みをわかる人間になれ。」


人の痛みを知ろうとするあまり、

自分の痛みがわからなかった。


そんな自分に残された道は消える事のみ。


いいやん?

俺が消えたら皆幸せになれるんやから…。