南風蒼は気まぐれに、クラスメイトの穂坂小路をいじめてみようと思った。小路はパシリで、鈍くて、阿呆だからちょうど良い。しかし、二人の関係は別の方向へ着地する。かわいげのない濁り色の蒼と、愛嬌と金だけは大盤振る舞いの小路。二人の青春は曖昧な境界線に色を落とす。
私は濁り色の蒼だから、
どこまでも濁っていける。