数年後に罹患する熱病【完】

作者海夜

いつも肺胞が硬くなったような息苦しさを感じていた。 



偏差値の高い大学へ行って、給料の良い仕事に就く。教師達の説く幸せとは、国に忠実な奴隷を作り出すための洗脳だ。



僕のユートピアはここではない。たった一歩踏み外してみれば、世界は変わった。悪意に銃弾、暴言と弑虐。嗚呼、こちらが僕の故郷だったのだ。



そこは息苦しさとは無縁の楽園だった。



死ぬまで世界各地を一人転々とするのだと、そう思っていた。





※一粒のキスと甘い毒企画 参加作品