女でありながら男として育てられたサイファーは、騎士として家のために尽くせば両親が愛してくれると信じていた。
戦場で過酷な日々を送りながらも成果を上げることに喜びを感じており、各地に出征しては数々の手柄を立てる中で騎士団長にまで昇り詰める。
しかしある日、深夜に廊下を通りかかった際に「体よく死なせるために騎士にしたのにいつまでも死なないから煩わしい」と父が話しているのを聞いてしまう。失意の底にある中、サイファーは次に赴いた戦場で盗賊を装った自家の騎士団に殺され二十年の生を終える。
気付くと前世の記憶を持ったまま軍強国として名高いヴィクトワールの第一皇女ルーチェに生まれ変わっていた。
ある日メイドが、前世の家族であるノーチェ公爵家は戦死したサイファーが遺した戦勝金でますます栄えていると話しているのを耳にする。
許せないと憤るルーチェは、ベビーベッドの中で前世で磨いた剣術でノーチェ公爵家への復讐を決意する。
今世では愛を望まず復讐のために剣の道に生きると決意したルーチェは、成長して国で初めての皇女兼騎士になる。
護衛騎士であるリヒトが復讐の協力を申し出たのをきっかけに仲間が増えて行き、距離を取っていた家族とも次第に打ち解けて、最後にはノーチェ公爵家を滅ぼして復讐を遂げる。