水無瀬くんと御子柴くん

作者住本優

たった一つの恋をした。

――ゆっくりと、歩くような速さで。







 御子柴涼馬(みこしば・りょうま)はイケメン天才高校生ピアニストである。

 スタイルが良くて、文武両道。誰とでも仲良くなれる人気者で、もちろんモテる。はっきり言って設定盛りすぎだ。

 俺とはクラスメートで、前の席…

▶ストーリー概要および物語の設定

 水無瀬晴希はクラスメートの御子柴涼馬と恋人関係にある。御子柴は高校生ピアニストとして有名であり、イケメンかつ文武両道、明るくて人気者という嘘みたいなハイスペック男子である。昼休み、屋上で二人昼食を食べるのが日課になっていた。

 周囲には秘密の恋人関係を続ける中、御子柴が海外遠征に行ってお互いに寂しい思いをしたり、誰もいない数学準備室で密かにキスを交わしたり、バレンタインデー当日お互いにやきもきしたり、と日々を過ごしていく。

 ある日、御子柴の家に誰もいない土日に泊まりにこないかと誘われる水無瀬。今までキスまでだったのだが、勇気を出してお互いの距離を縮めることに。

 しかし二年生の三学期は終わりを迎えようとしていた。クラスが離ればなれになってしまうであろうことに、寂しさを隠せない水無瀬。御子柴は「俺はお前の傍にいるし、傍にいたいよ」と水無瀬に告げる。

 最後に水無瀬は御子柴と出会った時のことを思い出す。前の席に座っていた御子柴に、勇気を出して声をかけた時のことを。


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