「遠くから推しを見ていたい系」オタクの杏樹は、死後推し小説の世界に転生し、生前の望み通り"壁"になってしまう。
しかし実は、ただの壁でなくダンジョンコアだった。そうと知った杏樹は、騎士である”推し”たちの尊い姿を間近で拝むため、そして彼らを育てるため、欲望まみれのダンジョンを造り始める。
惜しまぬ努力で気づけば最強ダンジョンとなっていくが、あるときボスである吸血鬼の王グランディールに転生者であるとばれてしまい、面白がって住み処にされてしまう。
グランディールに推しを殺させないため、仕方なく杏樹は彼の要求を呑み共同生活を送る。
普通のダンジョンにしてほしいグランディールと、欲望を満たしたい杏樹。平行線の毎日だが、彼との生活は案外楽しく、杏樹にとってグランディールは大事な相手となっていく。
しかし、聖地作りをして遊んでいたら推しにうっかり見初められヒロインポジションを奪ってしまったり、他のダンジョンからもちょっかいを仕掛けられたりと、ややこしい話になってきて――。
ただ推しを見守りたかっただけなのに、なぜこうなった。
壁になりたいオタクによる、無自覚最強(物理)逆ハーストーリー。