小学校の図工の先生で、小学三年生の担任をしている穂香と、絵本作家になる夢をあきらめてサラリーマンになっているの夫の優斗の話。
二人は桜の下で出会い、それから何年もたって桜の下で話し、そして結婚した。
穂香は入院していた小学生のころ、優斗の描いた紙芝居に励まされたことがあり、それをきっかけに図工の先生を志すようになった。
そして穂香はいまも、心を込めて描いた小学生たちの絵、そして会社で忙しい絵を描く優斗の絵に心を動かされており、また、そんな私が時々作る作品も、誰かの心を動かせたらいいなと思っていた。
そんな中、優斗が絵本作家になるための賞で佳作を受賞する。穂香は祝福しつつも、優斗がさらに忙しくなり、夫婦としてのかかわりが減ってしまうのではないかと心配していた。
しかし、そんな心配が消えるほど、穂香も忙しくなってしまう。学校の展覧会の時期が来たのだ。そして、穂香は、普段不登校の女の子に声をかけられ、「私も絵を描けるかな」と尋ねられる。
穂香は、女の子に「描けるよ」と答え、展覧会に向けた作品作りを手伝う。
そして、穂香は展覧会を成功させ、優斗は最初の絵本を出版する。