「──依」

何度も名前を呼んで、溶けるように甘く、彼は私を抱く。

彼氏でも何でもないくせに。









彼女でも何でもないただの幼馴染の私の名前を





甘く、切なく



何かを祈るように




彼はいつも呼んでいた。







【 フ ァ ジ ー ー イ 】






「お前以外、全部どーでもいい」






彼の境界線は、とても曖昧で。



その線を飛び越えたら、


私は一体どうなるのだろう。