ユリアンは困っていた。
心配性の母は、しつこく「お相手を見つけなさい」と言う。
今は仕事が大切なのに。
面倒な女性との交際など考えたくもない。

仕方なく参加した夜会。
最後に踊った灰色の瞳のお嬢さんは、どこか他の女性と違って見えた。

再会した時に、ユリアンを「王子様」と呼んだ、その女性は。

君の愛は、美しかった