その日、人生で初めて家出をした。
細い雨に濡れながら、あてもなく彷徨い歩いていた私に声をかけてくれたのは、同級生の男の子だった。

2022.2.11/公開・完結
(初出:2016.6)
2024.2.13/一部修正

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父子家庭に育った「私」は、受験を控えた高校三年生。

父に恋人ができ、嫌悪とストレスを溜め込んだ彼女は、ある雨の夜に家を飛び出してしまう。


行き場を失って公園で彷徨う彼女へ声をかけたのは、浮いた噂の多い同学年の男子生徒・神崎だった。

ひとり暮らしの彼のアパートへ案内され、彼女はとても親切にしてもらうが……?