華の乱 〜召喚先は、あの有名昔話だった!?件〜

作者中小路かほ

孤独な女子高生の華は、ある日古い『桃太郎』の絵本を見つける。すると、突然光に包まれ、気づいたら絵本の世界に召喚されていた。魔法が飛び交い、よく知る桃太郎の話とはかけ離れた世界に驚く華。そこで、鬼ヶ島の鬼の子孫である紅遠と出会う。彼の優しくて温かい人柄に、徐々に惹かれていく華。そんなとき、華が特別な…

  • コメント
  • スタンプ16
  • しおり16

炎が燃え盛り、


風が吹き荒れ、


稲妻が空を切り裂く。



まるで、この世の終わりかと思うほど、

様々な魔法が飛び交う。



だけど、ここはただの異世界ではない。



ここは、とある絵本の中。


それは、だれもが知るあの有名昔話――。



『桃太郎』




よく知る『桃太郎』のお話から

500年後の世界。



そんな場所に、わたしは突如召喚された。



そして、その世界で出会ったのは、

鬼ヶ島の鬼の子孫である、鬼人族の若頭――。


名を、紅遠。




「黙って俺に守られろ」



彼は、そんなわたしを力強く抱きしめ…。




「あまり鬼を煽るな。

どうなっても、責任取れねぇぞ」


「人間に、こんな感情を抱いたのは初めてだ。

華を独り占めしたくてたまらないっ…」



愛おしそうに、わたしの首元に噛みつく。




ここは、絵本の世界だけど…。


相手は、悪者のはずの鬼だけれど……。



――ますます彼に惹かれていく。





絵本の中に飛ばされた、孤独な女子高生

尾崎 華

(Hana Ozaki)


×


心優しき鬼人族の若頭

紅遠

(Kuon)





わたし、…鬼に恋してもいいですか?





◎執筆開始 2022.03.02