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主人公のひよりは、13歳のときに両親を病気で亡くす。
誠実だった両親は、友人に騙され借金の保証人になっていて、残った膨大な借金はひよりが背負うことに。その借金を肩代わりしたのが、当時経営が上向きだった大蔵建設社長である、ひよりの遠い親戚のおじだった。
ひよりは大蔵家に養女として引き取られ、肩代わりしたおじに返済するため、大蔵家ではタダ働きの家政婦のように扱われていた。
そんなある夜、ひよりはおじとおばの密会現場に遭遇する。
内容は、経営不振になった大蔵建設を立て直すために闇金から借りた金を、ひよりを売り飛ばすことによってチャラにしてもらうという話だった。
拒んだひよりだが、おじおばに監禁されてしまい、18歳を迎えた誕生日に、闇オークションへ売られるのだった。
出品されたひよりには高値がつけられていく。
そんな中、裏社会のドンである神山組の組長から5億円の値がつけられる。
これで決まりかと思ったとき、天龍会会長である龍崎仁がひよりをその倍である10億円で落札した。
怯えるひよりを迎え入れる仁。
そこで仁は、ひよりの両親に恩があったことを話す。
親に虐待されていた小学生の仁を救ったのが、当時教師をしていたひよりの両親だった。
2人が亡くなってからも仁はひよりのことを気にかけていた。
そして今回、闇オークションに出品されると聞いて、ひよりを助けるべく落札したのだった。
仁の優しさに少しずつ心を開くひより。
せめてなにかお礼をと申し出たひよりに対し、仁は冗談で「妻になれ」と言う。
しかし、それを真に受けたひよりは、婚姻届にサインをし提出してしまう。
それを知った仁は、慌てて離婚届を提出するように促すが、まっすぐなひよりはヤクザの妻になることに覚悟を決めていたため、その申し出を断る。
こうして、奇妙な夫婦が誕生した。
仁の妻として穏やかな日々を過ごしていたひよりだが、ある日、神山組がひよりを奪いにくる。
ひよりを守った仁は負傷し、輸血が必要な状態に。
しかし仁の血液型は、2000人に1人という割合だった。
そこでひよりは、自分の血を使うようにと申し出る。
なんとひよりの血は、すべての血液型に輸血可能な超希少なゴールデンブラッドだった。
ひよりのおかげで一命を取り留める仁。
そこで、神山組がどうしてもひよりを手に入れたい理由がようやくわかった。
神山組はひよりの血で金儲けをするために、ひよりを欲していた。
何度も抗争をしかけてくるが、仁が必死になってひよりを守る。
ひよりはそんな仁に惹かれていき、10歳下のひよりには興味のなかった仁もまた、まっすぐで初心なひよりに徐々に惹かれていく。
そうして2人は、本当の夫婦になるのだった。
《執筆期間》
2023.02.11 〜 2023.02.22