幼なじみじゃ、いられない。

作者桜月あき



5歳のとき、結婚の約束をした幼なじみは、

3日で彼女が変わる最低な男になった。



だけど、ずっと好きで。諦められなくて。



「ひなのこと、女の子として好きだよ」



そんなわたしに告白してくれたのは、

もうひとりの優しい幼なじみ。



もうこの恋心にサヨナラしよう。


そう決心して、告白に頷いた。



それなのに──。




「へぇ、あいつと付き合い始めたんだ?」



今まで見向きもしなかったくせに。



「他の女、ひなのために全部切ればいい?」



何で急にそんなこと言うの?




高校2年生、趣味はピアノ。


葉月 ひな(はづき ひな)


×


ひなの幼なじみで初恋。

冷めた性格で来るもの拒まず、3日で彼女が変わる。


藤沢 大地(ふじわら だいち)


×


ひなの通うピアノ教室の息子。

優しい王子系男子で、ひなのことが好き。


空井 律(うつい りつ)





「ひなの幸せだけを願ってた。

だけど今、もう手放したくないと思ってる」



りっくんの気持ちに応えたい。


その感情に嘘はない……のに。



「他の男とキスしたって知ったら、

アイツどうするかな?」



恋はきっと、綺麗な感情ばかりじゃなくて。



幼なじみじゃ、いられない。