真夏の夜の花名【完】

作者ながつき一花

大学生のナツは、カラダを満たす為だけにハナという少女を買った。
名前も年も偽ってカラダを売るその少女に、ナツはどこか惹かれていく。

ココロとカラダが重なったその一瞬の間だけ
咲いて散った花があった。

真夏の夜、一晩限りの恋の物語。

※物語に必要な描写として、性描写があります。18歳未満の方の…


 親指ひとつで花を買った。


 と言っても、花屋で買ったわけじゃない。

 ぶらりと入ったコンビニで、なんとなく気になった商品をひょいと買うような、そんな手軽さと気安さで買い物をしただけ。


 手の平の中の小さなディスプレイの向こう。

 自ら望んだ金額を提示し、自分という商品を売る〝花〟たちが並んでいる。

 熟れたカラダがメインの写真と金額を見定め、一晩、快楽を満たすその為だけに。


 真夏の暑い夜、俺はその〝花〟を買った。