晴れた夜空に夏の雲

「……今日、大学で男と何話してたの？」
突然の不機嫌な声に、美雪は肩を震わせる。声の主は美雪とテレビを見ている彼氏。
彼の心は天気のように、気まぐれに、突然移り変わる。
それはまるで、晴れているはずの夏の夜に、雨を降らせる雲が広がっていくのによく似ていた。