面白かったです。

魔晶石のこと、
宗教のこと、
魔法のこと、
国のあり方や庶民の暮らしのことと。
本当に設定が細かくされていて、
まるで物語の舞台が、

目の前にあるような気がしてくる。

過去の戦の原因が、
次第にわかってくると、
どちらの正義が正しいのか?
富と教育が、
多くの人々に行き渡るのか、
それとも、
一部の貴族だけが独占するのか?

アシュリンの結婚式の日、
袖を通す、
ウエディングドレスが、
いつものドレスより、
少し窮屈で
自由になれない。
そんな気持ちが、
先の未来に繫がっているようで、
先行きは、
曇ったまま。

アシュリンの薔薇、
庭師のクラウス、
ライナルトの思想、
クーデターは、
すべてを灰色に燃やしても、
まだ止まらない。

そんな炎の中で、
黄金の薔薇も、また
泣いているように思えてならない。